京都のお弁当屋さんのお弁当に入っている定番のおかず特集②
お漬物🥒
“お漬物”をおかず特集に含めるか否かは議論が分かれるであろう事柄ですが、京都のお弁当屋さんのお弁当のみならず、お弁当のひと仕切りをこのお漬物が占めていることは少なくありません。特に幕の内弁当やメインが魚のお弁当、いわゆる和風のお弁当にしばしば見かけます。和風のみならず、洋風や中華のものでもごはんのお供に、と入っているお弁当が見受けられますよね。
漬物について
古くから野菜などを保存するために利用されて来ました。主として、野菜、また果物などの植物性食品を、塩やぬか、酒かす、醤油、酢、みそなどの副材料を用いて発酵させて仕上げたものや味をなじませたもののことを指します。時に魚貝や肉類、卵などの動物性食品の場合もあり、滋賀県の有名な鮒寿司や塩辛がその例として挙げられます。
そして、漬物には微生物が関与するものとしないものがあり、材料や調味料によってもさまざまな種類があります。漬ける期間が短い塩漬けや酢漬け、福神漬けのような醤油漬けなどは発酵の作用を受けません。一方、漬ける期間が長い塩漬け、ぬか漬け、こうじ漬け、みそ漬けなどは発酵の作用を受けます。発酵作用は、主として乳酸菌と酵母によるものです。乳酸菌は、乳酸を生成して漬物独特の味や香りを付加するだけでなく、漬物のpHを低下させて不必要な微生物の増殖を抑える働きをもしてくれます。酵母はアルコールや有機酸、さらにエステル類などを生成します。これらの微生物代謝物は、塩分により脱水された材料に浸透し、保存性の向上や香気の増強に役立ちます。また、こうじ漬け、かす漬け、みそ漬けは、厳密には微生物利用食品とは言えませんが、微生物を利用した材料を用いており、漬ける工程でこうじ中の酵素や酒かすやみそ中の微生物の発酵作用を受けていると考えられています。
自宅でも漬物を漬けてらっしゃる方もおられるでしょう。日本各地で製造されており、それぞれの地域で有名なものもありますね。京都でも有名な漬物屋さんがいくつかありますよね。また、”しば漬”、”千枚漬”、”すぐき漬”は京都の三大漬物と呼ばれています。すぐきは、すぐき菜、水茎(スイクキ)、賀茂菜(カモナ)とも呼ばれるかぶの仲間です。花はアブラナ科のため、菜の花によく似た花が咲くそうです。また、秋田県で有名な漬物のいぶりがっこ。その”がっこ”というのは、漬物の意の「雅香」がなまったものだそうです。
さらに漬物は日本のみならず、世界中に存在し、韓国はキムチ、中国はザーサイ、またドイツでは、ザワークラフトが有名であり、ハンバーガーなどにも入っているピクルスも漬物の一種です。
漬物の過剰摂取は塩分が気になりますが、不足しがちな野菜を摂取できる方法でもありますね。また、発酵作用を発揮する乳酸菌は、腸内の善玉菌を増やす際に必要不可欠です。腸内にこの乳酸菌が入ってくることでもともといる善玉菌の母菌が活発となり増加するのです。ゆえに適度な漬物は身体にも嬉しいことが伺えますね。
「コラム」カテゴリーの記事一覧
-
旬の「菜の花」を最大限に楽しむ!保存技と美味しい楽しみ方とは?
-
ぬたってどんな料理?おすすめレシピ4選で楽しもう
-
初心者でも簡単。みぶな漬けの作り方。
-
干し柿はいつ作る?渋柿を使う理由とは?
-
初心者でも簡単。栗の渋皮煮の作り方。
-
かつお節の「うま味」を活用! かつお節を入れるひと手間で「うま味」がアップするお料理は?
-
おしゃれな曲げわっぱ、丈夫なステンレス、軽いプラスチックなど、お弁当箱の材質別にみたメリットとデメリット。
-
味噌の種類4つと、赤は煮込みうどん、白は西京焼きなど、種類ごとの適した料理。
-
食材にはお金をかけられないが、調味料はちょっといいのを使うメリットは?
-
電子レンジとHMでできる!簡単、ヘルシーな子どもが喜ぶ蒸しパン4つ。
カテゴリー:コラム
投稿日:2019年1月25日